世界一周や海外旅行の準備として、予防接種があります。世界には日本ではほとんどかからない病気があり、かかると命にかかわるようなものがあります。それらのいくつかには予防接種があります。予防接種を受けるにはお金と時間がかかり、受けたからといって100%病気にならないというわけではありませんが、それなりの効果があるので、予防接種は受けた方が良いと思います。予防接種について調べましたのでまとめます。
※予防接種情報は日々変化する可能性がありますので、必ず以下サイトをご確認ください。 FORTH/厚生労働省検疫所(海外の感染症や最新の流行状況•予防方法などを掲載)
■どの予防接種を受けたらよいのか?
厚生労働省が海外の感染症や予防方法などを説明しているFORTHを見ると、海外渡航者 が受けるべき主な予防接種は、
◇黄熱病: 蚊によって媒介されるウイルス性の感染症で、感染後、通常3〜6日後に発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐が起こる。重症かすれば死に至ることもあり、致死率は5〜10%。治療方法は無し。安静治療。アフリカや中南米の熱帯地域で感染する可能性が高く、それら国に入国する際やそれら国から入国する際には黄熱病の予防接種の国際証明証(イエローカード)を要求する国がある(詳しくは黄熱について/FORTH)。 予防接種は1回の接種で、接種後10日目から10年間有効。
◇A型肝炎:A型肝炎は食べ物から感染する病気で、アジア、アフリカ、中南米に広く存在。発症すると体がだるくなる、発熱、嘔吐、腹痛などが起きる。これら症状の約1週間後に黄疸が現れる。安静治療。途上国に1ヶ月以上滞在する人は予防接種した方がよい。 予防接種は2〜4週間隔で2回接種。6か月以上滞在するのであれば6か月目にもう1回接種すると約5年間効果が続くとされる。
◇B型肝炎:血液・体液を介して感染して起きる肝臓の病気。B型肝炎持続感染者の母親から生まれる新生児期を中心とした感染と、思春期以降の性行為を通じた感染の2つが主な原因。思春期以降に感染した場合、ほとんどは一過性感染で終わる。発症すると体がだるくなる、発熱、嘔吐、腹痛などが起きる。安静治療。ほとんどの場合はすぐに治る。 予防接種は4週間間隔で2回接種し、さらに、20~24週間後に1回接種。
◇破傷風:世界中の土壌に存在。破傷風は傷口についた土などから感染。症状は口が開き難い、顎が疲れるといった症状に始まり、重症化すると全身の筋肉が硬直して死に至ることもある。致死率は約50%。破傷風が発症した場合は、 医療機関で早急に診断し治療を開始しなければならない。予防接種は3種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風、百日せき)に含まれているため、受けていれば接種後10年位までは免疫がある。その後は1回の追加接種で10年間有効な免疫がつく。
◇狂犬病:発病したらほぼ100%死亡。犬だけでなくキツネ、コウモリなどの動物に咬まれることで感染する。感染から10日〜数年で、発熱、頭痛、だるくなる、嘔吐などの症状が発生。しだいに、けいれん、幻覚、恐水症などが起こり、やがて昏睡状態となり、死に至る。咬まれたらすぐに傷口を石鹸と水でよく洗い、消毒液で消毒する。決して、傷口を口で吸い出さないこと。狂犬病のワクチンを接種する。予防接種は最短1ヶ月間で3回接種。ただし、狂犬病の恐れのある動物に咬まれた場合は、予防接種をしていても2回ワクチンを打たなければならない。
◇ポリオ:ポリオウイルスによって、急性の麻痺が起こる病気。ポリオが流行しているアフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンのほか、ポリオが発生している国に渡航する人は接種を要検討。予防接種は1回。
◇日本脳炎:日本脳炎ウイルスを保有する蚊に刺されることによって起こる重篤な急性脳炎。死亡率が高い。流行地(東アジア、南アジア、東南アジア)へ行く人は要検討。症状は発熱、けいれん、嘔吐など。治療方法は無いため、安静治療。予防接種は1~4週間間隔で2回接種し、1年後追加接種1回すると基礎免疫がつく。その後、追加接種1回で4~5年間有効な免疫がつく。
■どこで接種できるのか?
予防接種は検疫所や病院で受けることができます。黄熱病は検疫所や限られた医療機関でしか受けることができませんのでご注意下さい。その他の予防接種はお近くの医療機関に問い合わせてください。
日本以外でも海外で予防接種を受けることができます。国内よりも料金が安かったり、国によっては黄熱病などの予防接種を無料で受けることができます。渡航ルートや時期にもよりますが、西回りだとタイ、東回りだと南米で受ける人が多いです。
参考までに、日本とタイ(スネークファーム)での費用を比較しました。
※費用はすべて1回あたり。
※日本価格は、医療機関によって異なります。
※ タイ価格は、スネークファーム/Amphur Phra Nakhonsi AYUTTHAYAを参照。
※1THB=3.32円で計算。
上記を全て1回ずつ接種したとしてもタイで受ける方が4万円以上安くなります。実際は、2〜3回接種しなければなりませんので総額で8万円近く安くなるのではないでしょうか?ただし、間隔を空けて接種しなければならないものもありますので、全てタイで受けることになるとスケジュールの面でかなり調整をしなければならないので、日本とタイで分けて受ける、タイと他の国で分けて受けるということが現実的だと思います。
(タイ)スネークファームでの予防接種方法参考記事:
【タイ】バンコクで予防接種(スネークファーム)/El Mundo
タイ以外の国での予防接種についての記事をまとめました。
◇(トルコ)1万円の予防接種が、なんと無料!!の国/りり記
◇(トルコ) 7.19トルコ*イスタンブールで予防接種できず…/Hitch×kakeru*世界一周食の旅
◇(ブラジル)サンパウロで無料の黄熱病の予防接種注射を受けてみた/GO TRAVELIFE
◇(エクアドル)QUITO_黄熱病予防接種/雨が降っても〜Travel Sketch〜
■僕の場合
5年ほど前にアフリカに行ったときに、黄熱病とたぶん破傷風の予防接種を受けました。今回の世界一周では、A型肝炎、破傷風(記憶があやふやなため)、ジフテリアを受ける予定です。場所とスケジュールは、日本でA型肝炎の1回目を受けて出発し、途中タイでA型肝炎2回目と破傷風とジフテリアを受けます。
■その他
◇デング熱:最近日本での感染 が話題になっているデング熱ですが、今のところ予防接種や治療薬はありません。蚊に刺されないことがもっとも有効な予防方法になります。
◇マラリア:予防接種はありませんが、予防薬はあります。症状はマラリアの種類によりますが、感染してから7日以上の症状のない期間があった後、発熱、頭痛、悪寒、嘔吐、筋肉痛、倦怠感などが現れます。感染した場合は、すみやかに治療する必要があります。予防方法としては、蚊にさされないことが有効です。5年前にアフリカに行った際には、常に長袖、長ズボンを着用し、寝る際には蚊帳に入って寝ました。蚊帳はホテルやゲストハウスに常設されています。ただし、穴が開いていることがあるので注意。
◇エボラ出血熱:最近世界的に話題になっていますが、致死率が非常に高い上に今のところ有効な予防方法や治療方法はありません。とりあえず、流行地域には行かないようにしましょう。